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781 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2008/02/05(火) 17 05 28 ID ??? 今回MKP候補が多すぎな中で、息抜きの小物を報告。 そいつはリア厨時代にリプレイを呼んで、あこがれていて、 最近われらのサークルを知り、数回のプレイを体験した初心者。 前回のセッションにおいて、強いモンスター(ルルブ掲載、ただしマスター以外持ってないので誰もデータを知らん)が出るという情報が。 そして情報を集めつつ休憩時間に。 他PCとマスターが席を立つ。俺は初心者接待係なので、その場に残っていた。 困ったちゃん「マスターもいないことですし、モンスターデータを調べませんか?」とルルブを開く。 その後、マスターが戻ってくるまでに、アレコレ注意しといた。 次やったら追放だぞって、脅しもかけておいた。 怖いことに、こいつ社会人なんだぜ・・・ スレ149
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ヘブライ人への手紙 電網聖書 - Public Domain 章 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 1 1 神は,過去には,多くの場合に,またさまざまな方法で,預言者たちを通して父祖たちに語られましたが, 1 2 これらの日々の終わりには,み子によってわたしたちに語られました。神は彼をすべてのものの相続人と定め,彼を通してもろもろの世界を造られました。 1 3 み子はその方の栄光の輝き,その方の実体の生き写しであって,すべてのものをご自分の力ある言葉によって支えておられます。ご自身でわたしたちのための罪の清めを行なったのち,高い所で荘厳な方の右に座られました。 1 4 み使いたちよりも優れた名を受け継いで,それだけ彼らにまさる者となられました。 1 5 というのは,神はかつて,み使いたちのだれにこう言われたでしょうか。 「あなたはわたしの子, わたしは今日あなたの父となった」。 または,こう言われたでしょうか。 「わたしは彼の父となり, 彼はわたしの子となるだろう」。 1 6 さらに,この初子をこの世に連れ入れる時には,こう言われます。「神のみ使いたちはみな,彼を拝め」。 1 7 み使いたちについては,こう言われます。 「そのみ使いたちを風にし, その召使いたちを火の炎とされる方」。 1 8 一方,み子については,こう言われます。 「神よ,あなたのみ座は限りなく, あなたの王国の笏しゃくは廉直の笏しゃく。 1 9 あなたは義を愛し,不法を憎んだ。 それゆえに,神,あなたの神は,喜びの油をあなたの仲間にまさってあなたに注がれた」。 1 10 また, 「主よ,あなたははじめに地の基礎を置かれました。 もろもろの天はあなたのみ手の業です。 1 11 それらは滅びることになりますが,あなたはとどまっておられます。 それらはみな外衣のように古くなるでしょう。 1 12 あなたは外とうのようにそれらを巻かれます。 それらは取り替えられることになりますが, あなたは同じであられます。 あなたの年が尽きることはありません」。 1 13 しかし,神はかつて,み使いたちのだれにこう言われたでしょうか。 「わたしの右に座っていなさい, わたしがあなたの敵たちをあなたの足台とするまで」。 1 14 彼らはみな仕える霊であって,救いを受け継ぐ人たちに奉仕するために遣わされたのではありませんか。 2 1 それゆえ,わたしたちは聞いた事柄にいっそう注意を払わなければなりません。そうでないと,わたしたちは押し流されてしまうかも知れません。 2 2 というのは,み使いたちを通して語られた言葉が堅く保証され,すべての違反と不従順が当然の報いを受けたのであれば, 2 3 わたしたちは,これほど大きな救いをないがしろにした場合,どうして逃れることができるでしょうか。この救いは最初に主を通して語られ,聞いた人たちによってわたしたちのために確証され, 2 4 神も,しるしと不思議,さまざまな力ある業,またご自分のご意志に従って聖霊の贈り物を分け与えることにより,彼らと共に証言されたのです。 2 5 というのは,その方は,わたしたちが語っている来たるべき世を,み使いたちに服させることはされなかったからです。 2 6 むしろ,ある人がある箇所で証言して,こう言っています。 「人間は何者なのですか,あなたがそれに思いを留められるとは。 また,人の子は何者なのですか,あなたがそれを心にかけてくださるとは。 2 7 あなたは彼をしばらくの間み使いたちよりも低い者とされ, 彼に栄光と誉れを冠として与えられました。* 2 8 すべてのものを彼の足の下に服従させられました」。 その方は,すべてのものを彼に服させられたのですから,彼に服さないものは一つも残されなかったのです。それなのに,わたしたちはすべてのものが彼に服しているのをまだ見ていません。 2 9 ただ,しばらくの間み使いたちよりも低くされた方であるイエスが,死の苦しみのゆえに,栄光と誉れを冠として与えられたのを見ています。それは,神の恵みによって,彼がすべての人のために死を味わわれるためでした。 2 10 というのは,多くの子らを栄光に至らせるにあたって,彼らの救いの創始者を数々の苦しみを通して完成させることは,すべてのものがその方のために存在し,またすべてのものがその方を通して存在しているその方にふさわしいことであったのです。 2 11 実に,聖別する方も聖別される人たちも,みな一人の方から出ているからです。そのために彼は,彼らを兄弟たちと呼ぶことを恥とはされず, 2 12 こう言っておられます。 「わたしはあなたのみ名をわたしの兄弟たちに知らせます。 会衆の中であなたの賛美を歌います」。 2 13 また,「わたしはその方に信頼を置きます」。また,「見よ,わたしと,神がわたしに与えてくださった子供たちがここにいる」。 2 14 それで,子供たちは肉と血とにあずかっているので,彼自身も同じようにその同じものを共にされました。それは,ご自分の死を通して,死の力を持つ者,すなわち悪魔を無に至らせ, 2 15 死についての恐れのために生涯にわたって束縛を受けていた者たちを,みな解放するためでした。 2 16 確かに,彼はみ使いたちを助けるのではなく,アブラハムの子孫を助けてくださるからです。 2 17 それで,彼はすべてのことにおいて自分の兄弟たちと同じようになる義務がありました。それは,民の罪をあがなうために,神に関わる事柄において恵み深い忠実な大祭司となるためでした。 2 18 というのは,彼自身,誘惑に遭って苦しみを受けられたからこそ,誘惑に遭っている人たちを助けることができるのです。 3 1 それゆえ,聖なる兄弟たち,天の召しにあずかっている人たちよ,わたしたちが告白する使徒また大祭司であるイエスのことをよく考えなさい。 3 2 彼は自分を任命した方に忠実であられました。モーセもその方の家全体にあってそうであったのと同じです。 3 3 彼はモーセよりも大きな栄光にふさわしいとみなされました。家を建てた人は家よりも大きな誉れを受けるからです。 3 4 家はすべてだれかによって造られますが,すべてのものを造られたのは神なのです。 3 5 確かにモーセはその方の家全体にあって召使いとして忠実でした。それは,将来語られる事柄について証言するためでした。 3 6 しかし,キリストはその方の家を治めるみ子として忠実でした。わたしたちが確信と希望による誇りとを終わりまでしっかりと堅く保つなら,わたしたちこそその方の家なのです。 3 7 それゆえ,聖霊が次のように言っているとおりです。 「今日,あなた方はその方の声を聞くなら, 3 8 荒野での試練の日のように, 自分たちの心をかたくなにして,挑発してはいけない。 3 9 その場所であなた方の父祖たちは試みをもってわたしを試し, 四十年間わたしの業を目にした。 3 10 それでわたしはこの世代に腹を立てて こう言った,『彼らはいつもその心のうちに迷っている。 彼らはわたしの道を知らなかった』。 3 11 わたしは激しい怒りのうちに誓った, 『彼らがわたしの安息に入ることはない』」。 3 12 兄弟たち,あなた方のうちのだれも,不信仰な悪い心を抱いて生ける神から離れることがないよう,用心しなさい。 3 13 むしろ,「今日」と呼ばれている間じゅう,あなた方のうちのだれも罪の欺きによってかたくなになることのないよう,日ごとに互いに勧め合いなさい。 3 14 というのは,初めの確信を終わりまでしっかりと堅く保つなら,わたしたちはキリストにあずかる者となっているのです。 3 15 ただし,次のように言われている間のことです。 「今日,あなた方はその方の声を聞くなら, 自分たちの心をかたくなにして,挑発してはいけない」。 3 16 というのは,聞いていながら反逆したのはいったいだれでしたか。そうです,モーセによってエジプトから出て来たすべての者たちではありませんでしたか。 3 17 その方が四十年間立腹されたのはだれに対してでしたか。罪を犯して,その死体が荒野に倒れた者たちではありませんでしたか。 3 18 その方がご自分の安息に入らせないと誓われたのは,不従順な者たち以外のだれに対してでしたか。 3 19 こうしてわたしたちは,彼らが入れなかったのは不信仰のゆえであったことに気づきます。 4 1 それゆえ,その方の安息に入るという約束が残されているのに,あなた方のうちのだれかがそれに達していないと思えるようなことのないように気遣いましょう。 4 2 わたしたちは自分たちに宣教された良いたよりを持っているからです。それは彼らも同じことですが,聞いた言葉は彼らの益になりませんでした。聞いた人たちと信仰によって結び付かなかったからです。 4 3 信じたわたしたちはその安息に入るのです。その方が,「わたしは激しい怒りのうちに誓った,彼らがわたしの安息に入ることはない」と言われたとおりです。しかも,み業は世の基礎が据えられて以来,すでに仕上がっていたのです。 4 4 ある箇所で七日目についてこう言っておられるからです。「神は七日目にそのすべての業を休んだ」。 4 5 そしてこの箇所で再び,「彼らがわたしの安息に入ることはない」と言われています。 4 6 それゆえ,それに入る者たちが残されており,先に良いたよりを宣教された者たちは不従順のゆえに入らなかったので, 4 7 その方はある日を再び今日と定めて,(すでに言われているとおり)長い期間の後でダビデを通して次のように言われたのです。 「今日,あなた方はその方の声を聞くなら, 自分たちの心をかたくなにしてはいけない」。 4 8 もしヨシュアが彼らに安息を与えていたのであれば,その方は後になって別の日について語られることはなかったでしょう。 4 9 それゆえ,神の民には安息日の休みが残されています。 4 10 というのは,その方の休みに入った者は,神がみ業を休まれたように,自らも自分の業を休んだからです。 4 11 ですから,その安息に入るために励みましょう。だれかが同じ不従順の例にならって堕落するようなことのないためです。 4 12 というのは,神の言葉は生きていて,活発であり,あらゆる両刃の剣よりも鋭く,魂と霊,また関節と骨髄とを切り分けるほどに刺し通し,心の思いと意向とを見分けることができるのです。 4 13 その方のみ前に隠されている被造物は一つもなく,すべてのものはその方の目には裸であり,さらけ出されています。わたしたちはその方に対してことを果たさなければなりません。 4 14 それでは,もろもろの天を通り抜けられた偉大な大祭司,神の子イエスがおられるのですから,わたしたちの告白を堅く保ちましょう。 4 15 わたしたちの大祭司は,わたしたちの弱さを思いやることのできない方ではなく,罪を別にすれば,すべての点でわたしたちと同じように誘惑を受けられた方なのです。 4 16 ですから,わたしたちは,あわれみを受けるため,また必要な時に助けとなる恵みを見いだすために,大胆さをもって恵みのみ座に近づきましょう。 5 1 なぜなら,大祭司はすべて人間たちの中から選び取られ,人間たちのため,神に関する事柄について任命されるからです。それは,罪のための供え物と犠牲とをささげるためです。 5 2 大祭司は,無知で迷っている者たちを穏やかに扱うことができます。自分自身も弱さにまとわれているからです。 5 3 そのゆえに,民のためだけではなく自分自身のためにも罪のための犠牲をささげなければなりません。 5 4 だれもこの栄誉を自分で得ることはなく,アロンもそうであったとおり,神から召されて受けるのです。 5 5 同じようにキリストも,大祭司になる栄光を自分で得られたのではなく,彼に対して次のように言われた方がその栄光をお与えになったのです。 「あなたはわたしの子。 わたしは今日あなたの父となった」。 5 6 別の箇所でもこう言われているとおりです。 「あなたは永久に メルキゼデクの位に等しい祭司」。 5 7 彼は肉体でおられた日々,自分を死から救うことのできる方に,強い叫びと涙をもって祈りと請願をささげ,その信心深い恐れのゆえに聞き入れられました。 5 8 彼はみ子であったにもかかわらず,お受けになった数々の苦しみから従順を学ばれました。 5 9 こうして完成させられて,ご自分に従う者たちすべてに対して永遠の救いの創始者となり, 5 10 神によってメルキゼデクの位に等しい大祭司と名付けられたのです。 5 11 彼については,わたしたちには言いたいことがたくさんありますが,説明するのが困難です。あなた方が,聞くことに関して鈍くなっているからです。 5 12 あなた方は,時間の点からすれば教師になっているはずなのに,神の託宣の初歩的な基礎原理をだれかに教わることが,再び必要になっています。固い食物ではなく乳を必要とするようになっています。 5 13 というのは,乳によって生きている者はみな,赤子であるため,義の言葉に熟達していないのです。 5 14 一方,固い食物は,十分に成長した人々,すなわち,良いことと悪いことを見分けるために,使うことによって訓練された感覚を持っている人々のものです。 6 1 ですから,わたしたちは,キリストについての初歩的な原理は後にして,完成へと押し進むことにし,次のような基礎を再び据えることはやめましょう。すなわち,死んだ業からの悔い改め,神に対する信仰, 6 2 数々のバプテスマについての教え,手を置くこと,死んだ者たちの復活,そして永遠の裁きなどに関することです。 6 3 神が許してくださるなら,わたしたちはこのことを行なうでしょう。 6 4 というのは,いったん啓発を受け,天からの贈り物を味わい,聖霊にあずかる者となり, 6 5 神の良い言葉と来たるべき世の力を味わっておきながら, 6 6 その後で離れ落ちる者たちについては,彼らを再び悔い改めに立ち返らせるのは不可能なのです。神の子を自分たちで再びはりつけにして,彼を公の恥辱にさらしているからです。 6 7 というのは,土地が,その上にたびたび降って来る雨を吸い込み,それを耕している人たちに役立つ作物を生み出すなら,神からの祝福を受けますが, 6 8 イバラやアザミを生じるなら,それは退けられ,のろいに近づいており,その終わりには焼かれてしまいます。 6 9 しかし,愛する者たちよ,わたしたちはこのように語ってはいても,あなた方については,もっと良い事柄,また救いに伴う事柄があると確信しています。 6 10 というのは,神は不義な方ではないので,あなた方の業や,あなた方が聖徒たちに仕え,また今も仕えていることによってみ名に示した愛の骨折りとを忘れることはされないからです。 6 11 わたしたちは,あなた方ひとりひとりが,終わりに至るまで十分な希望を保つため,その同じ勤勉さを示して欲しいと思います。 6 12 それは,あなた方が不活発になったりせず,約束を信仰と忍耐とによって受け継ぐ人たちの模倣者となるためです。 6 13 神はアブラハムに約束されたとき,ご自分より偉大な者にかけて誓うことができなかったので,ご自身にかけて誓い, 6 14 「わたしは必ずあなたを祝福し,必ずあなたを殖やすだろう」と言われたのです。 6 15 こうしてアブラハムは,辛抱強く耐え忍んだのち,約束のものを獲得しました。 6 16 というのは,実際,人間たちは自分より偉大な者にかけて誓うのであって,その誓いは確証となってあらゆる論争に決着をつけます。 6 17 このように神は,約束の相続人たちにご自分の考えの不変性をさらに豊かに示そうと決めると,誓いによって介入されたのです。 6 18 それは,自分の前に置かれた希望をつかもうとして避難所に逃れて来たわたしたちが,神が偽ることのできない二つの不変の事柄によって,力強い励ましを得るためでした。 6 19 その希望を,わたしたちは魂の錨いかり,確実でしっかりした希望,また垂れ幕の内側に入って行くものとして持っています。 6 20 そこへは先駆者であるイエスがわたしたちのために入り,永久にメルキゼデクの位に等しい大祭司となられたのです。 7 1 というのは,このメルキゼデク,すなわちサレムの王,いと高き神の祭司,王たちを撃滅して戻って来たアブラハムを迎えて祝福した人, 7 2 アブラハムがすべての物の十分の一を分け与えた人ですが(その名を解釈すれば,第一に義の王であり,次いでサレムの王すなわち平和の王であって, 7 3 父もなく,母もなく,系図もなく,日々の初めもなければ命の終わりもなく,神の子に似せられています),この人はずっと祭司のままです。 7 4 さあ,この人がどれほど偉大であったかをよく考えなさい。族長のアブラハムでさえ,彼には最上の戦利品の中から十分の一を与えたのです。 7 5 確かに,レビの子らのうち祭司職を受ける人々は,民から,すなわち彼らの兄弟たちの中から,同じアブラハムの腰から出て来た者たちであるにもかかわらず,十分の一税を取るよう,律法によっておきてを与えられています。 7 6 ところが,彼らの系統に属さないこの人が,アブラハムから十分の一税を取って,約束を受けている彼を祝福したのです。 7 7 さて,より劣った者がより優れた者から祝福を受けるということは,議論の余地のないことです。 7 8 一方では死ぬ人々が十分の一税を受けていますが,他方では生きていると証言されている人が十分の一税を受けているのです。 7 9 それで,十分の一税を受けるレビさえも,アブラハムを通して十分の一税を支払ったと言えます。 7 10 メルキゼデクがアブラハムを迎えたとき,レビはまだ自分の父祖の腰にいたからです。 7 11 ところで,もしレビの祭司職を通して完全にすることがあったとすれば(民はそのもとで律法を受けたのですが),どうしてこれ以上,アロンの位に等しいと呼ばれず,むしろメルキゼデクの位に等しい別の祭司が立てられる必要があるでしょうか。 7 12 というのも,祭司職が変えられると,律法にも変更が必要になるのです。 7 13 これらのことで言及されている方は別の部族に属しているのであり,その部族からはだれも祭壇での職務を行なってはきませんでした。 7 14 なぜなら,わたしたちの主がユダ,すなわちモーセが祭司職については何も語らなかった部族から出たことは明らかだからです。 7 15 このことは,メルキゼデクに似た別の祭司が立てられるなら,ますます明らかになります。 7 16 その方は,肉的なおきての律法によらず,終わりのない命の力によって立てられました。 7 17 次のように証言されているからです。 「あなたは永久に メルキゼデクの位に等しい祭司」。 7 18 というのは,先行のおきてはその弱さと無益さのゆえに廃止されますが 7 19 (律法は何をも完全にしなかったからです),その結果さらに優れた希望がもたらされたからです。それを通してわたしたちは神に近づいているのです。 7 20 なぜなら,彼は誓いによらずに祭司になったのではなく 7 21 (実際,人々は誓いなしで祭司になっているのですが),自分について次のように言われる方による誓いによっていたからです。 「主はこう誓われた。そしてその思いを変えることはされない。 『あなたは永久に メルキゼデクの位に等しい祭司』」。 7 22 このようにして,イエスはより優れた契約の保証となられました。 7 23 実際,人々は職務にとどまることを死によって阻まれるので,多くの人々が祭司になってきました。 7 24 しかし,彼は永久に生きているので,不変の祭司職を持っておられます。 7 25 それゆえ,彼はまた,ご自分を通して神に近づく者たちを完全に救うことができます。常に生きていて,彼らのために仲裁をしてくださるからです。 7 26 というのは,このような大祭司,神聖であり,罪もなく,汚れもなく,罪人たちから引き離されており,もろもろの天よりも高くなられた方こそ,わたしたちに適していたのです。 7 27 彼は,あの大祭司たちのように,最初に自分自身の罪のために,次いで民の罪のために,日ごとに犠牲をささげる必要はありません。ご自身をささげた時,ただ一度だけこのことを行なわれたからです。 7 28 なぜなら,律法は弱さを持つ人間たちを大祭司として任命しますが,律法の後に来た誓いの言葉は,永久に完成されているみ子を任命するからです。 8 1 さて,わたしたちが述べてきた事柄の要点は,わたしたちにはこのような大祭司がおられるということです。その方は,天において荘厳な方のみ座の右に座られた方で, 8 2 聖所の,また人間ではなく主が立てられた本物の幕屋の奉仕者です。 8 3 というのは,すべての大祭司は供え物と犠牲とをささげるために任命されるからです。それで,この大祭司も何かささげるものを持っておられることが必要です。 8 4 それで,もし彼が地上におられたなら,祭司ではなかったでしょう。地上には,律法に従って供え物をささげる祭司たちがいるからです。 8 5 彼らは天にあるものの写しと影とに仕えています。それは,モーセが幕屋を造ろうとしていた時,神から告げられたとおりです。その方は,「さあ,山であなたに示された型に従って,すべてのものを造りなさい」と言われたのです。 8 6 しかし今,わたしたちの大祭司は,さらに優れた奉仕の務めを獲得しておられます。それは,よりまさった約束に基づいて制定された,よりまさった契約の仲介者ともなられたことによります。 8 7 というのは,あの最初の契約に欠点がなかったなら,第二のものが求められる余地はなかったことでしょう。 8 8 彼らに欠点を見いだして,こう言われるからです。 「見よ,その日々がやって来る」と,主は言われる。 「そのとき,わたしはイスラエルの家およびユダの家と新しい契約を結ぶことになる。 8 9 それは,その手を取って彼らの父祖たちをエジプトの地から導き出した日に, わたしが彼らと結んだ契約によるものではない。 彼らはわたしの契約のうちにとどまらず, わたしは彼らを無視したからだ」と,主は言われる。 8 10 「これこそ,わたしがイスラエルの家と結ぶ契約だ。 それらの日々ののちに」と,主は言われる。 「わたしは自分の律法を彼らの思いの中に置き, それを彼らの心の上に書きつけることになる。 わたしは彼らの神となり, 彼らはわたしの民となるだろう。 8 11 彼らが,それぞれ自分の仲間の市民に, それぞれ自分の兄弟に教えて,『主を知れ』と言うことは決してない。 最も小さな者から最も大きな者に至るまで, すべての者がわたしを知るようになるからだ。 8 12 わたしは,彼らの不義に対してあわれみ深い者となるからだ。 彼らの罪や不法な行ないをもはや思い出すことはないだろう」。 8 13 「新しい契約」と言われることによって,最初のものを古いものとされました。そして,古いものとされて年を経たものは,消滅に近づいているのです。 9 1 ところで,最初の*契約にも,神的な奉仕の法令と地上の聖所とがありました。 9 2 すなわち,幕屋が設けられたのです。第一の区画には,燭しょく台と食卓と供えのパンがあり,聖なる場所と呼ばれていました。 9 3 第二の垂れ幕の後ろには至聖所と呼ばれる幕屋がありました。 9 4 そこには金の香の祭壇と,全面を金で覆われた契約の箱があり,その箱の中にはマンナを入れた金のつぼ,芽を出したアロンのつえ,そして契約の書き板がありました。 9 5 また,その上には,あわれみの座を影で覆っている栄光のケルビムがありました。しかしわたしたちは今,こうしたことの詳細を述べるわけにはゆきません。 9 6 さて,これらの物がこのように設けられると,第一の幕屋の中には,祭司たちが務めを果たすために絶えず入って行きますが, 9 7 第二の区画には年に一度,大祭司だけが入って行くのであり,それも,自分自身のため,また民の過失のためにささげる血を携えないで行くことはありません。 9 8 聖霊はこのことを,すなわち,第一の幕屋がなお立っている間は,聖なる場所への道がまだ現わされてはいなかったことを示しています。 9 9 この第一の幕屋は今の時代の象徴です。そこでは供え物や犠牲がささげられますが,崇拝者を良心の面で完全にすることができません。 9 10 それらは,改革の時まで課せられている,(食べ物や飲み物やさまざまな洗いに関する)肉的な法令に過ぎないのです。 9 11 しかし,キリストは,来たるべき善い事柄の大祭司として来られたとき,手で造ったのではない,つまり,この創造界に属さない,より偉大で,より完全な幕屋を通り, 9 12 ヤギや子牛の血ではなく,ご自身の血を通して,ただ一度だけ聖なる場所に入り,永遠の請け戻しを獲得されたのです。 9 13 汚れてしまった者たちに振りかけられる,ヤギや雄牛の血また若い雌牛の灰が,彼らを肉の清さのために聖別するのであれば, 9 14 まして,永遠の霊によって,自らを汚点のないものとして神にささげたキリストの血は,あなた方を生ける神に仕えさせるために,あなた方の良心を死んだ業からどれほど清めてくれることでしょうか。 9 15 このようなわけで,彼は新しい契約の仲介者です。それは,最初の契約のもとでの数々の違反を請け戻すために一つの死が生じたことにより,召された者たちが,約束された永遠の相続財産を受けられるようにするためです。 9 16 というのは,遺言状のあるところには,それを残した人の死が必要なのです。 9 17 遺言は死がもたらされたときに有効になるからであって,それを残した人が生きている間は決して有効にならないからです。 9 18 それゆえ,最初の契約でさえ,血が伴わずに制定されたのではありません。 9 19 というのは,モーセは,すべてのおきてを律法に基づいて民全員に語ったとき,子牛とヤギの血を取り,水と赤い羊毛とヒソプと共に,書そのものと民全体とに振りかけて, 9 20 「これは神があなた方に命じられた契約の血だ」と言ったからです。 9 21 さらに彼は,幕屋とすべての務めの器に同じように血を振りかけました。 9 22 律法によれば,ほとんどすべてのものが血をもって清められ,血を流すことがなければ許しはないのです。 9 23 ですから,天にあるものの写しはこれらのものによって清められ,一方,天にあるもの自体は,これらのものよりもさらに優れた犠牲で清められることが必要でした。 9 24 というのは,キリストは,本物の聖なる場所の描出である,手で造った聖なる場所ではなく,天そのものに入られたのであり,今やわたしたちのために神のみ前に現れてくださったからです。 9 25 それは,大祭司が年ごとに自分のものではない血を携えて聖なる場所に入るように,何度もご自身をささげるためではありませんでした。 9 26 そうだとしたなら,世の基礎が据えられて以来,何度も苦しみを受けなければならなかったでしょう。しかし今や,時代の終わりにただ一度,ご自身の犠牲によって罪を取り除くために現われてくださっているのです。 9 27 人間たちには,ただ一度だけ死ぬこと,そしてそののちに裁きを受けることが定まっていますが, 9 28 そのようにキリストも,多くの人たちの罪を担うためにただ一度だけささげられたのち,二度目には,罪とは関係なく,彼をひたすら待っている人たちに救いをもたらすために現われることになっています。 10 1 律法は来たるべき善いことの影を持っているのであって,それ自体の姿は持っていないので,年ごとに絶えずささげられる同じ犠牲によって,近づく者たちを完全にすることは決してできません。 10 2 もしできるとすれば,崇拝者たちはただ一度だけ清められ,もはや罪の意識を持たなくなるのですから,ささげ物はされなくなったはずではありませんか。 10 3 ところが,これらの犠牲によって,罪が年ごとに思い出させられるのです。 10 4 なぜなら,雄牛やヤギの血では罪を取り除くことは不可能だからです。 10 5 ですから,彼はこの世に入って来る時,こう言われるのです。 「犠牲やささげ物をあなたは望まず, わたしのために体を用意してくださいました。 10 6 全焼のささげ物や罪のための犠牲をあなたは喜ばれませんでした。 10 7 そこでわたしは言いました。『ご覧ください,わたしは参りました(書の巻き物にわたしについて書いてあります), 神よ,あなたのご意志を行なうために』」。 10 8 先に,「犠牲やささげ物,また全焼のささげ物や罪のための犠牲をあなたは望まず,それらを喜ばれませんでした」と言い(それらは律法によってささげられるものです), 10 9 次いで,「ご覧ください,あなたのご意志を行なうために,わたしは参りました」と言われるのです。彼は,第二のものを確立するために,最初のものを取り除かれます。 10 10 このご意志により,イエス・キリストの体という,ただ一度のささげ物を通して,わたしたちは聖別されているのです。 10 11 実に,祭司はすべて,日ごとに立って務めを果たし,決して罪を取り除くことのできない同じ犠牲を何度もささげていますが, 10 12 この方は,罪のために一つの犠牲を永久にささげてから,神の右に座り, 10 13 それ以来,自分の敵たちが自分の足台とされるまで待っておられます。 10 14 聖別されている人たちを,一つのささげ物によって,永久に完全にされたのです。 10 15 聖霊も次のように言って,わたしたちに証言されます。 10 16 「これこそ,わたしが彼らと結ぶ契約だ。 『それらの日々ののちに』と,主は言われる。 『わたしは自分の律法を彼らの心の上に置き, それを彼らの思いの上に書きつけることになる』」。 次いで,こう言われます。 10 17 「わたしは彼らの罪や不法をもはや思い出すことはないだろう」。 10 18 それで,これらのことの許しがあるところには,もはや罪のささげ物はありません。 10 19 それゆえ,兄弟たち,わたしたちは,イエスの血によって聖なる場所に入るための大胆さを抱いているのですから, 10 20 (その道は,彼が,垂れ幕つまりご自身の肉を通して,わたしたちのために設けてくださった,新しい生きた道です。) 10 21 そして,神の家を治める偉大な祭司がいるのですから, 10 22 満ちあふれる信仰のうちに,真実の心をもって近づきましょう。わたしたちは,心に血を振りかけられて悪い良心から清められており,体を清い水で洗われているのですから, 10 23 わたしたちの希望の告白を断固しっかりと保ちましょう。約束してくださったのは誠実な方だからです。 10 24 互いをどのように愛と善い業へと駆り立てるかをよく考え, 10 25 わたしたち自身が一緒に集まり合うことを,ある人たちの習慣にならって途絶えさせたりせず,むしろ互いに励まし合い,その日が近づくのを見て,ますますそうしましょう。 10 26 というのは,わたしたちが真理の知識を受けた後で,故意に罪を犯し続けるなら,罪のための犠牲はもはや残っておらず, 10 27 ただ,裁きへの恐ろしい予想のようなものと,対抗者たちを焼き尽くす火の猛烈さだけが残っているのです。 10 28 モーセの律法を無視する者は,二人か三人の証人の言葉に基づいて,あわれみを受けることなく死にます。 10 29 まして,神の子を踏みつけ,自分がそれによって聖別された契約の血を神聖でないものとみなし,恵みの霊を侮辱する者は,どれほどひどい刑罰に値すると思いますか。 10 30 わたしたちは次のように言われた方を知っているからです。「報復はわたしのもの」と,主は言われます。「わたしが返報する」。また,「主はご自分の民を裁かれるだろう」。 10 31 生ける神のみ手に落ちるのは恐ろしいことです。 10 32 しかし,以前の日々のことを思い出しなさい。あなた方は,啓発を受けたのち,苦しみを伴う厳しい戦いを耐え忍びました。 10 33 ある時には,非難と圧迫の両方にさらされ,またある時には,そのように扱われた人たちと共にあずかる者になりました。 10 34 あなた方は,鎖につながれているわたしに哀れみを抱いてくれましたし,自分の財産が略奪されても喜んで甘受したのです。自分たちには,さらに優れた,永続する財産が天にあることを知っていたからです。 10 35 ですから,あなた方は自分の大胆さを投げ捨ててはいけません。それには大きな報いがあります。 10 36 というのは,神のご意志を行なって約束のものを受けるため,あなた方には忍耐が必要だからです。 10 37 「ほんのしばらくすれば, 来たるべき方が来られるだろう。遅れることはない。 10 38 だが,義人は信仰によって生きるだろう。 彼がたじろぐなら,わたしの魂は彼を喜ばない」。 10 39 しかし,わたしたちは,たじろいで滅びに至る者ではなく,信仰を抱いて魂の救いに至る者です。 11 1 さて,信仰とは,望んでいる事柄についての保証であり,見ていない事柄についての証明です。 11 2 これによって昔の人たちは証言を得たのです。 11 3 信仰によって,わたしたちは,全宇宙は神の言葉によって造られたのであり,それゆえ,見えるものは目に見えるものからできたのではないことが分かります。 11 4 信仰によって,アベルはカインよりも優れた犠牲を神にささげ,その信仰によって,彼が義人であるという証言をその方から受けました。神が彼の供え物について証言されたからです。その信仰によって,彼は死んではいても,なお語っているのです。 11 5 信仰によって,エノクは死を見ないように取り去られました。神が彼を移されたので,彼は見いだされなくなりました。というのは,移される前に,神を十分に喜ばせていたことが証言されていたからです。 11 6 信仰がなければ,その方を十分に喜ばせることは不可能です。神に近づく者は,その方が存在し,ご自分を求める者たちに報いてくださることを信じるべきだからです。 11 7 信仰によって,ノアは,まだ見ていない事柄について警告を受けたとき,信心深い恐れに動かされて,自分の家族の救いのために箱船を設けました。その信仰によって,彼は世を罪に定め,信仰による義の相続人となりました。 11 8 信仰によって,アブラハムは,自分が相続財産として受けることになる場所に出てゆくよう召された時,それに従いました。自分がどこに行くのかを知らずに出て行ったのです。 11 9 信仰によって,彼は異国人のように,自分のものではない土地にいるようにして,約束の地に住みました。同じ約束を共に相続するイサクやヤコブと共に,天幕に住んだのです。 11 10 なぜなら,彼は,基礎を据えられた都市を待ち望んでいたからです。その都市の建設者また造り主は神です。 11 11 信仰によって,サラ自身までも妊娠する力を受け,そういった年齢を過ぎていたのに子供を産みました。彼女は,約束してくださった方を誠実な方とみなしていたからです。 11 12 このようにして,この死んでいたも同然の人から,数の多さにおいては天の星のように多数の,また海辺の砂のように無数の子孫が生まれたのです。 11 13 これらの人はみな,信仰のうちに死にました。約束のものを受けませんでしたが,遠くからそれらを見て喜んで迎え,自分たちが地上では他国人また居留者であることを告白したのです。 11 14 というのは,このように言う人たちは,自分たちが故郷を探し求めていることを明らかにしているからです。 11 15 確かに,もし彼らが自分たちの出て来た故郷のことを思っていたのであれば,帰る機会もあったことでしょう。 11 16 しかし今,彼らはさらにまさった故郷,つまり天にある故郷を熱望しています。それゆえ,神は,彼らの神と呼ばれることを恥とはされません。彼らのために都市を準備されたからです。 11 17 信仰によって,アブラハムは,試みを受けていた時,イサクをささげました。そうです,約束を喜びのうちに受けていた彼が,自分のひとり子をささげようとしたのです。 11 18 しかも彼に対しては,「あなたの子孫はイサクにあって呼ばれることになる」と言われていたのです。 11 19 彼は,神は死んだ者たちの中からさえも起こすことがおできになると考えました。比ゆ的に言って,彼はイサクを死んだ者たちの中から取り戻したのです。 11 20 信仰によって,イサクは,来たるべき事柄についても,ヤコブとエサウを祝福しました。 11 21 信仰によって,ヤコブは,死にかけていた時,ヨセフの子らをそれぞれ祝福し,つえの先のところにもたれて崇拝しました。 11 22 信仰によって,ヨセフは,自分の最期が近づいていた時,イスラエルの子らの脱出のことに言及し,自分の骨について指図しました。 11 23 信仰によって,モーセは生まれた時,その両親によって三か月の間隠されました。彼らは彼が美しい子供であるのを見て,王の命令を恐れなかったのです。 11 24 信仰によって,モーセは,成長した時,ファラオの娘の子と呼ばれるのを拒みました。 11 25 罪の一時的な快楽を持つよりも,神の民と共に虐待されることを選んだのであり, 11 26 キリストの非難をエジプトの宝にまさる富だと考えたのです。報いに目を向けていたからです。 11 27 信仰によって,彼は,王の憤りを恐れず,エジプトを去りました。見えない方を見ているようにして,耐え忍んでいたからです。 11 28 信仰によって,初子を滅ぼす者が自分たちに触れないよう,過ぎ越しと血の振り注ぎを行ないました。 11 29 信仰によって,彼らは乾いた陸地のようにして紅海を通り抜けました。エジプト人が同じことを試みると,のみ込まれました。 11 30 信仰によって,エリコの城壁は,彼らが周囲を七日間回った後に崩れ落ちました。 11 31 信仰によって,売春婦ラハブは,スパイたちを平和のうちに迎え入れたので,不従順な者たちと共に滅びることはありませんでした。 11 32 この上わたしは何を言いましょうか。ギデオン,バラク,サムソン,エフタ,ダビデ,サムエル,また預言者たちについて語るなら,時間がわたしを置いていってしまうでしょう。 11 33 彼らは,信仰によって,数々の王国を征服し,義を成し遂げ,約束のものを獲得し,ライオンたちの口をふさぎ, 11 34 火の力を消し,剣の刃から逃れ,弱かったのに強い者とされ,戦いにおいて強力な者となり,異国の軍勢を敗退させました。 11 35 女たちはその死者を復活によって受けました。ほかの人たちは,さらにまさった復活を獲得するために,釈放を受け入れずに拷問されました。 11 36 別の人たちは,あざけりやむち打ちによって試みられ,そればかりか,束縛や投獄によっても試みられました。 11 37 彼らは石打ちにされました。のこぎりで切られました。誘惑を受けました。剣で殺されました。羊の皮やヤギの皮をまとって巡り歩き,窮乏し,虐待を受け 11 38 (彼らにはこの世はふさわしくなかったのです),荒野,山々,ほら穴,地の穴をさまよい続けました。 11 39 これらの人々は皆,その信仰によって証言されましたが,約束のものは受けませんでした。 11 40 神は,わたしたちのためにさらにまさったものを備えて,わたしたちを抜きにしては彼らが完全にされることのないようにされたのです。 12 1 それゆえ,わたしたちも,これほど大勢の雲のような証人たちに囲まれているのですから,あらゆる重荷と,すぐに絡みつく罪とを捨てて,わたしたちの前に置かれた競走を忍耐して走ろうではありませんか。 12 2 信仰の創始者また完成者であるイエスを見つめながら。彼は,自分の前に置かれた喜びのゆえに,恥をものともせずに十字架を耐え忍び,神のみ座の右に座られたのです。 12 3 罪人たちによるこのような反抗に耐え忍ばれた方のことをよく考えなさい。あなた方が疲れ,あなた方の魂が弱り果てることのないためです。 12 4 あなた方は罪と闘うにあたって,まだ血に至るまで抵抗したことがありません。 12 5 そして,子供たちに対するようにしてあなた方に語られている,次のような勧めを忘れてしまっています。 「わが子よ,主の懲らしめを軽んじてはならず, その方から戒められるとき,弱り果ててもいけない。 12 6 主はご自分の愛する者を懲らしめ, 受け入れる子をすべてむち打たれるからだ」。 12 7 あなた方が耐え忍んでいるのは鍛練のためです。神はあなた方を子供たちのように扱っておられます。というのは,父親が鍛練しない子などいるでしょうか。 12 8 しかし,みんなが共にあずかっている鍛錬をあなた方が受けていないとすれば,あなた方は私生児であって,子ではありません。 12 9 さらにまた,わたしたちを懲らしめるために,同じく肉の父親たちがいて,わたしたちは彼らに敬意を表わしていました。霊の父にはなおのこと,服従して生きるべきではないでしょうか。 12 10 というのは,確かに父親たちは,少しばかりの日々,自分が良いと思うままにわたしたちを罰しましたが,その方は,わたしたちの益のため,わたしたちがご自分の神聖さに共にあずかる者となるために罰してくださるのです。 12 11 懲らしめはすべて,その時は喜ばしいことではなく,つらいことに思えますが,後になれば,それによって訓練された人たちに,義という平和な実を生み出すのです。 12 12 ですから,垂れ下がった手と衰えたひざをまっすぐにしなさい。 12 13 そして,不自由な足が脱臼きゅうすることなく,むしろいやされるように,あなた方の足のためにまっすぐな道を造りなさい。 12 14 すべての人たちとの平和を追い求めなさい。また聖化を追い求めなさい。それなくしてはだれも主を見ることはできません。 12 15 神の恵みに達していない人が出ることのないよう,また,苦い根が伸びてきてあなた方を悩まし,それによって多くの者たちが汚されることのないよう,よく注意しなさい。 12 16 一度の食事のために自分の長子の権利を売ったエサウのように,淫いん行の者や神聖さを汚す者にならないようにしなさい。 12 17 というのは,彼が後から祝福を受け継ぎたいと願ったのに退けられたことを,あなた方は知っているからです。彼は,涙をもってそれを切に求めましたが,思いの変化の余地を見いだせなかったのです。 12 18 あなた方が近づいているのは,触れることのできる,火で燃えている山や,暗黒,暗闇,暴風雨, 12 19 らっぱの響き,言葉の声の前ではありません。それを聞いた者たちは,これ以上自分たちに言葉が語られることのないように懇願しました。 12 20 彼らは,「獣であっても山に触れるなら,それは石打ちにされ*なければならない」と命じられたことに耐えられなかったのです。 12 21 また,その光景があまりにも恐ろしかったので,モーセは,「わたしはおびえ,震えている」と言いました。 12 22 しかし,あなた方が近づいているのは,シオンの山,また生ける神の都,すなわち天のエルサレム,そして無数のみ使いたち, 12 23 すなわち全体の集会,また天で登録されている初子たちの集会,すべての人の裁き主である神,完全にされた正しい人たちの霊, 12 24 新しい契約の仲介者イエス,さらに,アベルの血よりも立派に語る,振り注ぎの血の前なのです。 12 25 語っている方を拒まないように気をつけなさい。地上で警告していた人を拒んだ人々が逃れられなかったのであれば,天から警告される方に背を向けるわたしたちは,なおさら逃れることはできないでしょう。 12 26 その時,その方の声は地を揺り動かしましたが,今や,次のように約束されています。「わたしはもう一度,地だけではなく,天をも揺り動かすだろう」。 12 27 この「もう一度」という表現は,揺り動かされないものが残るために,揺り動かされるものが,造られたものとして取り除かれることを示しています。 12 28 それゆえ,わたしたちは,揺り動かされることのない王国を受けようとしているのですから,感謝の念を抱きましょう。それによって崇敬と畏い敬の念をもって,受け入れられる仕方で神に仕えるのです。 12 29 わたしたちの神は焼き尽くす火だからです。 13 1 兄弟愛を保ちなさい。 13 2 よそから来た人を親切にもてなすことを忘れてはいけません。そうすることにより,ある人たちはそれと知らずにみ使いたちをもてなしたのです。 13 3 獄につながれている人たちのことを,彼らと共につながれているようにして覚えておきなさい。また,虐待されている人たちのことを覚えておきなさい。あなた方も肉体でいるからです。 13 4 すべての人たちの間で結婚が尊ばれるようにし,寝床が汚されないようにしなさい。神は,淫いん行の者たちや姦淫かんいんを犯す者たちを裁かれるのです。 13 5 お金に対する愛から自由になり,自分の持っているもので満足しなさい。「わたしは決してあなたを離れず,決してあなたを見捨てない」と言われているからです。 13 6 それで,わたしたちは確信をもって次のように言います。 「主はわたしの助け主。わたしは恐れない。 人がわたしに何をできようか」。 13 7 あなた方の指導者たち,あなた方に神の言葉を語った人たちのことを覚えておきなさい。彼らの行ないの結末を注意深く見て,彼らの信仰に倣いなさい。 13 8 イエス・キリストは,昨日も,今日も,そして永久に同じ方です。 13 9 さまざまな異なった教えによって運び去られてはいけません。心は,食物ではなく,恵みによって強められるのが良いことだからです。食物に気を取られていた人たちは益を得ませんでした。 13 10 わたしたちには一つの祭壇があります。それは,聖なる幕屋に仕えている人たちはそこから食べる権利のないものです。 13 11 なぜなら,動物の血は罪のためのささげ物として大祭司によって聖なる場所に持って行かれますが,その体は宿営の外で焼かれるからです。 13 12 そのため,イエスも,ご自分の血によって民を聖化するために,門の外で苦しみを受けられました。 13 13 ですから,わたしたちは彼の恥辱を担って,宿営の外に出て彼のもとに行こうではありませんか。 13 14 わたしたちは,ここには永続する都市を持っておらず,来たるべき都市を得ようとしているからです。 13 15 それで,彼を通して,絶えず神に賛美の犠牲を,すなわちそのみ名を告白する唇の実をささげましょう。 13 16 しかし,善い行ない,そして分け合うことを忘れてはいけません。そのような犠牲こそ,神は喜ばれるからです。 13 17 あなた方の指導者たちに従い,また服しなさい。彼らはやがて言い開きをする者として,あなた方の魂のために見張りをしているからです。彼らが,うめき声ではなく喜びをもって,このことを行なえるようにしなさい。そうでないと,あなた方の益になりません。 13 18 わたしたちのために祈ってください。わたしたちは,すべてのことにおいて高潔に生活したいと願っており,自分が正しい良心を持っていると確信しているからです。 13 19 わたしはあなた方がこのことをしてくれるよう特にお願いします。わたしがなるべく早くあなた方のところに帰れるようになるためです。 13 20 それでは,平和の神,すなわち,永遠の契約の血による羊の偉大な牧者であるわたしたちの主イエスを死んだ者たちの中から連れ戻された方が, 13 21 イエス・キリストを通して,み前にあってみ心にかなうことをあなた方のうちで行なってくださり,あなた方がそのご意志を行なうため,あらゆる善い業において整えてくださいますように。この方に,栄光がいつまでもありますように。アーメン。 13 22 兄弟たち,わたしはあなた方に,以上の勧告の言葉を我慢してくれるように勧めます。わたしは少しの言葉であなた方に書き記したからです。 13 23 わたしたちの兄弟テモテが釈放されたことを知ってください。彼がすぐに来れば,わたしは彼と共にあなた方に会えるでしょう。 13 24 あなた方の指導者たち全員と,すべての聖徒たちによろしく伝えてください。イタリアの人たちがあなた方によろしくと言っています。 13 25 恵みが,あなた方すべてと共にありますように。アーメン。 脚注 [1] 2 7に戻る TRは,「そして彼をあなたのみ手の業の上に置かれました」と加えている。 [2] 2 11に戻る この「兄弟たち」という言葉は,ここや文脈が許す箇所においては,正確には「兄弟たちと姉妹たち」または「きょうだいたち」とも訳せる。 [3] 8 11に戻る TRは「仲間の市民」の代わりに「隣人」と読んでいる。 [4] 9 1に戻る TRは「幕屋の」を加えている。 [5] 11 13に戻る TRは言葉を加えて次のようにしている。「見て,それらを確信して」 [6] 12 20に戻る TRは「るか,矢で射られ」を加えている。[出エジプト 19 12-13を見よ] 電網聖書はパブリック・ドメインに置かれます。電網聖書 http //Denmo.org は,The World English Bible (WEB) http //eBible.org を土台とした新しい日本語訳です。この草稿は2002年3月3日版です。 [Denmo.org] [E-mail]
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今日子ちゃんへ 誕生日おめでとう ささやかですが、プレゼントも一緒に贈ります。 好みに合うか、ちゃんと贈れるのかが心配ですが、今はちゃんと届く事を信じることにします。 この前、私の好意の伝え方がよくなかったせいでひかせてしまった事を気になって、なんと言えばいいか悩んでいましたが、 最近はあまり芳しくない情報ばかり入ってきていて、自分がどう思われているかより、そちらの方が心配です。 危険な事をするにしても、無茶はしないようにしてくださいね。 それではどうか心身共に健康である事を祈ります。 藻女より
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作詞:10日P 作曲:10日P 編曲:10日P 歌:GUMI 翻譯:kyroslee 惑星間的通訊 相當 意外地 是傳達不到的事呢? oh oh 喉嚨咕咚作響 即使是像這樣像這樣逐漸用盡 但卻已經沒有充電了呢 單向通訊40分鐘 言語與內心的時機 銀河的回覆還未送到客廳嗎? 強烈的火箭飛拳 穿過右場手與中場手之間的羽毛球(*註1) 仍想要令人心跳加速嗎? 不要伸手去接落空了的球吧 尖刻的說話是鐵的味道,呢! 相當 意外地 是沒被察覺到的事呢? oh oh 不發一聲 難解的 問題 就用因式分解去解決 已經 連糖分都沒有了 (不在不在不在不在不在 乞求着不存在的事物) (在無重力下走着鋼絲)(*註2) 單向通訊40分鐘 言語與內心的時機 我在等待着銀河的信號送到客廳呢! 強烈地使出快打(*註3) 在比賽場中繁星閃耀(*註4) 想要令人更頭暈轉向嗎? 從三比零到(*註5) 比賽結束吧 強烈的火箭飛拳 穿過右場手與中場手之間的羽毛球 你仍會令我心跳加速嗎? 不要伸手去接落空了的球吧 尖刻的說話是鐵的味道,呢呢呢! 註1:「右中間」是棒球中的用語,指右場手與中場手之間的範圍 註2:「綱渡り」除了解走鋼絲之外,也可引申為「冒險」的意思,所以「在無重力下走鋼絲」也可理解作「沒有風險的冒險」這樣的感覺 註3:「クリーンヒット」可解作棒球中的「快打/漂亮的安全打」,也有引申作「完美地完成一件工作」的意思 註4:關於這裏的「リング」直譯的話就是「環」,但「リング」亦可解作格鬥場的擂台,根據前文後理便取了「比賽場」這意思...... 註5:「フォーティラブ」直譯成英文就是forty-love,是網球的用語,因為網球的比分是以「15→30→40→45」這樣算的,forty-love也就是比分「40比0」的意思,所以也就解作「三比零」了 如有錯漏歡迎指正 m(__)m
https://w.atwiki.jp/sakideeroparohokanko/pages/95.html
宮永さんへ 手紙 百合注意 ID kXxdcZ0z氏 第1局 854 宮永さんへ 改めて手紙なんか出す私を変と思わないでくださいね。 実は・・私は宮永さんの事が好きです。 入部してから、ずっと宮永さんに恋をしていました。 でも、当たり前の事だけど、私は女の子で、宮永さんも女の子です。 だから、恋してはいけない人に恋したと思って、ずっと黙っていました。 でも、益々思う気持ちが強くなって、もう止められなくなりました。 だから一昨日、 嬉しさで宮永さんに甘えてしまって・・。 冷たくされたと思ってちょっと辛かったです。 片岡さんにずっと前から相談してたけど、片岡さんも、告白するじぇって言ってくれました。 ・・・恥ずかしいけど、私の気持ちを全部知って貰いたくて書きます。 宮永さんを女として見ています。 宮永さんを犯すのを想像して、数え切れないくらいオナニーしました。 宮永さんのことを考えると、無茶苦茶気持ちいいんです。 宮永さん、この前オナニーしましたよね。私、汚れたショーツ盗んじゃいました。 愛液とオシッコ舐めましたよ。他の人のなんて絶対嫌だけど、宮永さんのなら舐められます・・ 私、変態ですか、やっぱり。でも、それだけ宮永さんのことが好きなんです。 宮永さんのためだったら何だって出来ます。愛しているから。軽蔑されてもいい。 でも真剣に考えて欲しいんです。私と付き合ってください。 答えをくれるまで、いつまでも待ってます。 友達でなく、恋人になりたい和より
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【FC2動画】
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(前口上) 携帯電話が普及しなかった世界。 電子ならざる原始的なメール、つまり手紙のやり取りが、確固たるコミュニケーション手段として確立されていた。 第一幕 第一場 昼休み 靴箱が並ぶ陵桜高校昇降口 みゆき登場 みゆき (考え事をしながら右に左にうろつく)……はっ、 掃除という行為について考え込んでしまっていました。 掃除。辞書には、家の家具や床のゴミや汚れを取って、 綺麗にする事と出ていますが、この営みの大切さを、 皆さん分かっていらっしゃるのでしょうか? 確かに放課後になれば、すぐに帰りたいでしょう。 暑い日に校庭のゴミ拾いなどは嫌かも知れません。 でも、それこそ文明を守るという行為そのものだと、 ぜひ気付いていただきたいものです。というのも、考古学者は発掘を行います。 主に、古い文明の営みを掘り起こすものです。 でもそこで疑問に思ったことはないのでしょうか。 何故発掘しなければならないのか。 遺跡や遺構は何故土中に埋まっているのか。 何故最初から地表に露出してないのか。 ……答えは明白です。掃除をする人がいなくなってしまったから、 埃の中に埋もれてしまったのです。 掃除とは、文明を守るための行為そのものなのです。 いずれ掃除の重要性を訴えるキャンペーンも必要になるでしょうが、 さしあたっては掃除用具の点検を行わなければなりません。 各教室の分はそれぞれの委員に依頼しましたが、移動教室等も早急に確認し、 足りない分は補充し、破損している分は取り替えなければなりません。 用具が整備されていなければ、掃除をする気も起きないでしょう。 部屋が大変片付いていたかがみさんなら、掃除の重要性も理解していただけるはずです。 心苦しい点が無きにしも非ずですが、 かがみさんに手伝っていただきましょう。 (メモ帳を取り出す) (書く)『大切なお話があります。力を貸していただきたく存じます。放課後、屋上にいらしてください』 (かがみの靴箱に入れる) 朝の内にお話できればよかったのですが、 今は教室にもいらっしゃらないようなので、このような手段を取らなければなりません。 お時間、いただけるとよいのですが……。(退場) みさお登場 みさお (う゛ーう゛ー言いながら反対の袖に消えかけて、慌てて戻ってくる) お……柊の事考えてたら通り過ぎちまったぜ。 うぅ、柊の奴、相変わらず冷てーよな。 今日も昼休みの始まりと同時にどっか行っちまったし。 B組を覗いたけど、今日はチビッ子もいねーし。 きっと今頃、あいつらだけの秘密の場所で、楽しくお昼してんだろーなー。 あ゛~~、想像したら腹立ってきた。 そもそも、あのチビッ子は何なんだ? あたしら柊の何なんだ? もう付き合いも五年目になんだぞ。 てことはもう丸四年だ。 四年てことは、あの、アレだ。 あー……何日になるんだ? 一年が360日……だったよな。 だから、んーと……あ゛ーもう! とにかく悪いのはチビッ子だ。 今日という今日はガツンと言ってやって、 柊がウチのだってことを思い知らせてやらなきゃ気が済まねーぜ。 (手紙を取り出す) へへっ、決闘状だ。 書くのに午前中いっぱいかかっちまったぜ。 (こなたの靴箱に入れる。扉は開けっぱなし) こいつでチビッ子を屋上に呼び出して……。 くくく、特に奥の手があるわけじゃねーけどな。 まあ、直アンパン……じゃねえや、直談判すれば道も開けるってもんだぜ。 柊との付き合いは、あたしらの方が先輩なんだ。 後輩としての立場をわきまえろって言ってやるぜ(退場)。 ゆたか登場 ゆたか みなみちゃん、鼻血を出した田村さんを保健室に連れて行ったきり、戻ってこなかったなあ……。 『ユリが、ユリが』って言ってたけど、ユリ根でも食べ過ぎたのかな? 今日はお弁当じゃないから、学食に一人で行かなきゃ。 心細いなあ。 こんなことなら、ユリ根でもいいから、お弁当にしてもって来るんだったかな。 はあ、学食にわたしに食べられる物あるといいけど……。 それに引き換え、こなたお姉ちゃんは体が丈夫でいいなあ。 身長なんてわたしとあまり変わらないのに。 (こなたの靴箱が開いたままなのを発見) あれ? 3年B組泉……こなたお姉ちゃんのだ。 何で開けっ放しなんだろう? 閉めといた方が……。 (みさおの手紙を発見) あっ! これはラブレター!? それにしては封筒にも入れずに剥き出しだし、畳み方が乱暴かな……。 (手紙を開く) なになに、 (読む)『お若えの』 ……年配の人が書いたのかな? (読む)『お前がいかなる身分の者か知らないが、先輩後輩の上下関係をわきまえない者だと言うことは確かなり』 お姉ちゃん、最上級生なのに……? (読む)『終がお前のところへ行く。するってえと、あたしらは背景ですらなくなる。これこそが、お前に決闘を申し込む理由にあらざるなり』 違うんだ……。終って誰だろ? (読む)『あたしはお前を、屋上で待ち伏せしてやるぞ』 お姉ちゃん、屋上になんか寄るかな? (読む)『もしかしてあたしがやり込められるようだと、お前は食べるに値しないミートボールのようなものなり。御機嫌よう。終がお前に独り占めされ続けるかもしれないけど、あたしはそうならないよう希望するものなり。お前の返答次第で、お前の親友にも敵にもなる者より。愛を込めて』 何だろう、これ? 「愛を込めて」って点だけラブレターみたいだけど。 まあとにかく、お姉ちゃんに好意を抱いているわけじゃないみたい。 これをお姉ちゃんに見せるわけにはいかないな。 (手紙を仕舞う) 差出人が誰なのか見極めて、お姉ちゃんに気をつけるように言わなきゃ(退場)。 ひよりとパティ登場 ひより うぅ、再発しそうッス(倒れる)。 パティ ちょ、ヒヨリ! しっかり! 邪悪なコト考えながらホスピタルに運ばれたら、doctorに『オラオラ、輸血だ』って血を抜かれマスヨ。 ひより それ、『新フ●テンくん』? またディープなネタを知ってるね、パティ……。 パティ 四コマmangaは日本が生んだ文化極みネ。それより、本当にダイジョブですか? ひより (立ち上がる)授業中も小早川さんのことで気が気でない岩崎さんを見てたら、ネタが次々と湧き出て、ついでに鼻血も湧き出て……。 パティ ヒヨリもまだまだ若いネ。 ひより 頑張ってる、無理もしてる、来週も弾けてるッスよ。で、その岩崎さんなんだけど? パティ ヒヨリの事をワタシに引き継いで、class roomに戻ったみたいデスヨ。でも今のを見る限リ、ユタカには会えてないはずデス。さっきのユタカをドウ見ますか、ヒヨリ? ひより なんか思い詰めてるようだったよね。女の子が靴箱の前で思いつめるといったら……。 パティ 足の臭いデスカ? ひより そうじゃないけど、んー、都合がいいのか悪いのか、日本には『鬼の居ぬ間に』って諺があってね。 パティ つまり……。 ひより・パティ ラブレター……? ひより いや、いやいやいやいや、あの小早川さんッスよ。ピュアで純粋でドジッ娘でチビッ子で病弱で臆病で萌え要素液つゆだくの小早川さんッスよ。 パティ でも、ヒヨリがそのオニを、オニさんこちらと拘束プレイしたのデスよね? ひより いや、プレイじゃないから。誘ってもいないし。ていうか、何で小早川さんが出したって前提で話してるんスか? パティ ユタカには需要がありマス。でもソレは、需要がなくはない・とても少ない・なくはないがまあありえないという意味デス。 ひより この場合本人に失礼なのか、より岩崎さんに失礼なのか分かんないッスね……。でもそうすると確かに、出した側って事になるッスね。相手は誰……って、ここ3年の靴箱ッスよ!? パティ Chanceデスよ、ヒヨリ。 ひより えと、それってやっぱり、誰に宛てたか知るチャンスって意味……? パティ Off Cauce!! モチロンです! ひより 岩崎さんを焚きつけて修羅場現場を目撃して、それを同人作家としての血肉にしろと? パティ Ah~……、ヒヨリがそうノゾむなら、それでOKデス。ワタシとしましては、ユリネタの供給源がなくなると困るのではと、シンパイしたのですが……。 ひより パティ。 パティ ハイ? ひより 私さ。 パティ Um? ひより 小早川さんの相手を、女の人だって前提で考えてたよ~! パティ Oh! ゴウが深いネ、ヒヨリン♪ ひより とにかく、相手が誰かを確認するのには異論はないッス。 パティ じゃあ、片っ端から開けましょう。絨毯爆撃デース(開け始める)。 ひより パティ、自重! 合衆国の人が日本でそれ言うの危険すぎるから!(開け始める)。 パティ 左右とも弾幕が濃くなってしまいマスネ。 ひより (かがみの靴箱でみゆきの手紙を発見)ま、まさかの大発見!? パティ ナント、ユタカのお相手はカガミでしたか。 ひより 早速岩崎さんに知らせないと。 パティ 電話急げ、デスネ。 ひより 善は急げッスよ。 パティ 電話も急いで出ナイと、切れてしまいマス。 ひより いや、今は電話より岩崎さんッス。(手紙はそのままで二人退場) こなた登場 こなた (そのまま反対の袖に消えかけて、慌てて戻ってくる) あ、嫁の事考えてたら、その嫁を探すのを忘れてたよ。 まあ、私のアホ毛レーダーに反応がない分には、近くにはいないって事だね。 いやー、どこ行ったのかな? 今頃ダイエットメニューを一人で寂しくつついてるのかな? それを見られるのが嫌で、一人で姿をくらませるなんて、可愛いねーウチの嫁は。 まあ、私は私で、そんなかがみを想像するだけで、チョココロネ3個いけちゃうし、 コロネ体型になったらなったで、私がおいしく頂いちゃうわけだから心配ないんだけどね。 とはいえ、本人に会えないのは不便だね。 5、6限は移動教室だから、下手すると捕まらないかもしれないよ。 いやいや、きっと待っててくれるとは思うけど、 みさきちの魔手に攫われてしまうとも限らない。 みさきちときたらおバカキャラの癖に、 VAVA言いながら、私の嫁の簒奪を企んでるらしいからね。 かがみが囚われの姫君になったら、 私は伝説の勇者、浪漫の騎士、元ソルジャークラス1stになる事だっていとわないよ。 魔王……いや、VA王・みさきちの城に乗り込んで、 千と一夜の死闘の後に姫を救い出し、 子供作って国を作って、そして伝説への王道ファンタジイってわけさ。 でも、それじゃ放課後に寄り道できないな。 むー、よもや逃がすつもりはないけど、念のため、靴箱に手紙を仕込んどこうかな。 (紙を取り出して書く) 『金太 待つ ゲマズ』 じゃないな……。 (書く)『♪それはゲマズで5時 二人でアヴァンチュール』 こんなもんかな。 これをかがみの靴箱に仕込んで……お? (みゆきの手紙を発見して目を通す) なんと先客が~! お、おのれぇ~、屋上で私の嫁を手篭めにする気だな。 こうなったら待ち伏せして、南斗神挙伝承者として腕を振るうしかないようだね。 ふっふっふ……さいたま地方気象台、 正午発表の糟日部地方の天気予報はズバリ血の雨! さあ、雨雲は誰かな……(退場)。 みなみ登場 みなみ (そのまま反対の袖に消えかけて、慌てて戻ってくる) ああ、ゆたかのことを考えていたら、通り過ぎてしまった。 ゆたかがラブレターを出したなんて、信じたくない……。 しかも相手は、かがみ先輩だなんて。 恐れていた日がこんなにも早く来るなんて……。 そう、ゆたかはいつかは私の存在を必要としなくなると思ってはいたし、 所詮は女同士の夢のように儚い想い。 男として与えるべき物を、私は持っていない。 かがみ先輩は強い方だ。 女でありながら、本来男が与えるべき物をも、きっと持っている。 だからこそ、ゆたかにはかがみ先輩なのだろう。 本来ならゆたかの恋を応援こそして、 祝福すべきなのに、今私は何をしている? 何のためにここにいる? かがみ先輩にあって、私にないものか。 心当たりが多すぎる(胸に手を当てる)。 別にいいじゃないか、ゆたかのそばに寄り添うのが、私以外の人だって……。 いやダメだ! ゆたか、ゆたか、ゆたか、ゆたか。 私の心の奥底、光の届かぬ深淵より湧き起こるこの叫び。 せめて、せめて一言、かがみ先輩に言わなければ。 私がゆたかのそばで確かに生きたという証として、 『ゆたかをよろしく』と。 ああ、でもわたしにその勇気が持てるだろうか? 持たなければ、心の叫びがやがて私の身を引き裂くだろう。 それならばそれで構わない。 そうだ。 かがみ先輩を屋上に呼び出そう。 (手紙を書き、かがみの靴箱に入れる。扉は完全には閉まらない) ゆたかの手紙はすでに渡ってしまったか……。 だからどうだというのだろう。 もし渡っていなかったとしたらどうしたい? そう考えること自体、私の心がもう引き裂かれたという証なのだろうか。 つなぎ合わせるには、やはりかがみ先輩への一言が必要だ。 さもなければ、私は東京タワーに頂上にでも登って、 23区も裂けよとばかりに叫ぶだろう。 『ゆたか!!』と。 例えそうしたところで、埼玉にいるゆたかの元に、 この想いも声も届くはずはないのに。 23区を裂く事が出来ても、二人の仲を裂くことなど出来ないのに。 ああ、こんなことで私は生きていけるのだろうか? これから、ゆたかの笑顔が他の人にだけ向けられているという事実に、 耐えていかなければならないのに……(退場)。 かがみ登場 かがみ ふう、どうにか食べ終わったわね。 体重がまた少し気になってきたからダイエットメニューにしたけど、 こんなのこなたに見られたらなんて言われるか……。 まあ、それで逃げ隠れしちゃう私も私だけど。 でもあいつのことだから、 前みたいに『カロリー計算してあげようか』なんて言い出すかもしれないわ。 ったく、宿題一つちゃんとやらないくせに、そういうことに頭を使うのは大好きなんだから。 その後、『私なりにかがみの健康に気を遣っただけだよ』なんて言いやがってさ……。 う、嬉しくなんかないわよ。 どうしてあいつに、そんな心配されなきゃいけないのよ。 ……ああ、でも、 普段どんな物をどれだけ食べているか知られてるからこそ、 こんなことに気を揉むんだろうな。 もう三年か……。 なんだかんだで、長い付き合いになっちゃったわね。 彼氏とかは出来なかったけど、 友達は確かに出来たって思ってもいいんだよね、こういうのって。 まあ、こなたは友達半分、悪友半分なんだけど。 あ……べ、別に彼氏を諦めたとかじゃないんだからね。 いい人がいれば、そりゃ私だって……。 彼氏が出来たなんて言ったら、こなたの奴どんな顔するんかな。。 宿題ちゃんと自分でするようになるんかな。 ……いや、デート現場に乗り込んで、 臆面もなく『写させて』なんて言うな。 絶対言う。 彼氏も彼氏で私より出来ない奴なら、 『ごめん、実は俺も……』なんて言いかねないし、 逆に私より出来る奴なら、こなたの面倒を押し付けたりして、 そっからこなたと仲良くなって、哀れ私は寝取られ女。 ……って、結局こなたのことばっか考えてるし。 こんな感じの内は、彼氏なんて夢のまた夢ね。 あーあ、いいですよーだ。 どうせ恋もダイエットも実らない負け組女ですよーだ。 (自分の靴箱を見る) あれ? ちゃんと閉めたはずだけど……。 (みなみの手紙を発見する) ええ!? こ、こ、これってもしかして。 早まっちゃいけないわ。 つかさが夕飯の買い物のメモを置いただけかもしれないし。 (読む)『一言、たった一言、どうしてもお伝えしたいことがあります。放課後、屋上まで来てください』 一言? 一言って? 何て口説かれるんだろう? なんて答えたらいいんだろう? 手とか握られちゃうかな? 抱き締められたり? か、顔が近付いてきてそのまま……キャー! 早速ダイエットの成果が出たのね。 引き締まったウエストに振り向いてくれた誰かが、勇気を振り絞ってこれを書いたのよ。 桜は散っても、私の心は春なのね。(退場) つかさ登場 つかさ あれお姉ちゃんかな? 見つかっちゃったかな? ああ、よかった。行っちゃった。 ふう、こなちゃんとお姉ちゃんがいないから都合がいいと思ったけど、 ゆきちゃんまでいなくなっちゃうから、困っちゃったよ。 おかげで急いでお弁当食べて、 急いでゆきちゃんに相談するためのお手紙書いたけど、 間違いとかないかなあ……。 でも書き直してる暇ないから入れちゃお。 (手紙をみゆきの靴箱に入れる。扉は完全に閉まってない) うぅ、今日もあの悪夢にうなされて、おかげで寝不足だあ(あくび)。 一体あれって何なんだろう? 『やっさいもっさい』って。 机でうとうとしているとき、思わず口走っちゃったんだけど、 あのときから私の夢に『やっさいもっさい』が出てきて、 毎晩追いかけられるようになっちゃった。 誰かに相談したいけど、みんなの前で『やっさいもっさい』なんて言ったら、 前の犬の芸の時みたいになるかもしれない。 あの時は何とかなったけど、 もしみんなが『やっさいもっさい』についてよく知ってて、 それが変な意味だったりしたら……うぅ~、もう恥ずかしいのは嫌だよぉ。 かといってうなされるのも嫌だし……。 ゆきちゃんなら優しいし、物知りだからきっと私の悩みも聞いてくれる。 『やっさいもっさい』が変な意味だとしても笑わないで ―それとも笑って、かな―済ませてくれる。 ああ、早く放課後にならないかな。(退場) あやの登場 あやの みさちゃん、珍しく熱心にノートをとってると思ったら、手紙を書いていたわ。 それも午前中ずっと。 女の子があれだけ真剣になって書く手紙といったら、一つしかないわ。 そう、ラブレター。 最初は私もそうだったわ。 他のことにはそわそわと落ち着きがなく、 ただ愛しい人の面影のみを抱き締めて…… ううん、みさちゃんの場合、むしろ手紙を書くのに集中して、 いつもより落ち着いていたくらいだけど、 それは他の子の場合と同じ。 浮かれるか、沈み込むかね。 相手が誰か気になるけど、今はそっと見守るべきよね。 まだOKもらったわけじゃないし……。 (みゆきの靴箱に気付く) あれ、あそこ開いてる。 あの高さだと、私のおでこが丁度ぶつかっちゃう高さだわ。 閉めとこっと。 (手紙を発見) ええっ!? でもまさか……。 ううん、偶然よ偶然。 みさちゃんと高良ちゃんに、たまたま同じ日に春が来ただけよ。 でも一応……。 (読む)『大事なお話があまりす。屋上で持ってます。心ず来てね』 ……字は丁寧だけど、この誤字・脱字。 いかにもみさちゃん的だわ。 どうしよう、相手が高良ちゃんだなんて。 みさちゃんを諌める? 高良ちゃんを止める? とにかく、じきにみさちゃんの身内になる私としては放っておけないわ。 放課後、屋上に行かなきゃ。(退場) げき☆すた1-2 喜劇『手紙騒動』第一幕第二場 第三場に続く コメントフォーム 名前 コメント あー、いかん。 すで間違えてましたわい。 指摘どもでした。 -- 42-115 (2008-06-08 21 26 19) パティの off cauceが気になるのぅ of courseじゃなくてもいいのか アメリカ的にはああ書くのか? -- 名無しさん (2008-06-08 02 27 58) 二場に期待!! -- 名無しさん (2008-05-27 12 59 12) うまいなあ。 -- 名無しさん (2008-05-27 00 37 14)
https://w.atwiki.jp/trinity_kristo/pages/355.html
本文(英語):http //www.newadvent.org/fathers/0101.htm
https://w.atwiki.jp/83452/pages/9644.html
~資料室~ 梓「…」ジー 澪「どうした?梓」 梓「澪先輩のお弁当ってたまに見るんですけど、何時も可愛いですね」 梓「自分で作ってるんですか?」 澪「いや、これは殆どママが作ってるんだ」 梓「…」 澪「お母さん!」 梓「あの、私まだ何も言ってませんけど?」クスクス 澪「…」 ヒョイ…パクッ 梓「あっ!」 澪「…」モグモグモグ 澪「うん、この卵焼きは美味しいな」 梓「え?あの…今何て言いました?」 澪「いや、この卵焼きは美味しいな…って」 梓「あの、もう1度」 澪「ど、どうした?怒ったのか?」 澪「ごめんな、ほんの冗談で…」 梓「もう1度」 澪「すまん、謝るから」 梓「もう1度言ってくれたら…許します」 澪「もう1度言えば良いのか?」 澪「えっと、この卵焼きは美味しいな…」 梓「…」 梓「ふふっ、ふふふっ」 梓「良いですよ、許しちゃいます」 澪「?」 梓「いえ、許すも何も全然怒ってませんから」 澪「そうか?まあそれなら良いんだけど」 梓「澪先輩はお料理ってしないんですか?」 澪「いや、殆ど毎日してるぞ?」 澪「今日も昨日作った残り物が少しだけ入れてあるな」 梓「え?どれですか?」 澪「今残ってるのだと…この鶏肉の炒め物だけかな?」 梓「1つ下さい!」 澪「さっきのお詫びに良いよって言ってあげたいんだけど…」 澪「ごめんな、今フォークに刺さってるので最後だ」 澪「他に欲しいおかずがあったらどれでも食べて良いぞ?」 梓「いえ、私はこれが食べたいです」 澪「これが良いのか?」 梓「…」コクコク 澪「う~ん、じゃあ箸で取って貰うのも行儀が悪いから…」 梓「…」ジー 澪「…」 澪「もしかして、私がこのままフォークを手渡したら怒るのか?」 梓「…」 梓「怒りませんけど…その、ガッカリします…」 澪「分かったよ、じゃあ1回だけだぞ?」 梓「…」コクコク 澪「ほら、あ~んってしてみろ」 梓「あ~ん」パクッ…モグモグ 澪「どうだ?」 梓「あの、美味しいです…」 澪「そうか、梓にそう言われるとちょっと嬉しいな」 梓「ちょっと…だけなんですか?」 澪「…」 澪「いや、凄く嬉しいぞ」 梓「…」 梓「良かったです」 ~部室~ ガチャッ 唯「待たせたな!皆の衆!」 唯「…」 唯「あれ?何で誰も…居ないの?」 唯「りっちゃんとムギちゃんは先に出て行ったのに…」 唯「…」グゥー 唯「澪ちゃんとあずにゃんはやっぱり来ないのかな…」 唯「…」グゥー 唯「お、お腹減った…」 唯「でも1人で食べてもつまんないし…」 唯「りっちゃんとムギちゃんが来るまでは待ってなきゃね、うん」 ~体育館裏~ 紬「りっちゃん」 律「よぉ、ムギ」 紬「どうしたの?こんな所に何か用事?」 律「あ、ああ…」 律「あのな、昨日の事なんだけど」 律「ムギには謝らなきゃいけない事があるんだ」 紬(まずはその事なのね) 紬(りっちゃんは名前の通り律儀なんだから…) 紬「もしかして、あそこの柱の陰から覗いてた事かしら?」 律「え!気付いてたのか!?」 紬「ええ」 律「そうか…いや、本当に悪かったな」 律「それを謝っておこうって思ってたんだけど」 律「ちょっとみんなの居る場所では出来ない話だからな…」 紬「ねえ、どうして謝るの?」 律「へ?」 紬「りっちゃんは理由も無しにそんな事はしないって思うわ」 紬「こんな所に呼び出される私の事、心配して来てくれたのよね?」 律「え?ち、違うよ…あたしは別に…」 紬「…」ジー 律「ま、まあ…半分位はそうかもしれないな…」 紬(半分じゃないと思うんだけどな…) 律「たまに居なくなる事があるから、前から少し気にはなってたんだけど」 律「昨日急に心配になって…な」 紬「ごめんなさい、あまり他の人には言えない事だから」 律「まあ、悪い事じゃなくて本当に良かったよ」 紬「それにしても遅いわね…」 紬「お手紙には放課後すぐにって書いてあったのに」 律「…」 律「ムギ、あのな…」 紬「何かしら?りっちゃん」 律「あの…その…え~と、何だ…」 律「そ、そろそろ部活に行くからな?」 紬「…」 紬(りっちゃんがそれで良いならって思うけど) 紬(でも…少しだけいじわる、しても良いかしら?) 紬(りっちゃんがそんなに可愛い顔を見せるから…いけないのよ?) 紬「そうだわ!」 律「ど、どうした?」 紬「あのね、りっちゃんも此処に居て?」 律「…へ?」 紬「私はね、昨日と一緒でお手紙で此処に呼び出されちゃったの」 紬「多分だけど、今日も昨日みたいなお話があると思うわ」 紬「りっちゃんもね、それを一緒に聞いてあげて欲しいの」 律「…」 律「いやいやいや!そんなのあたしが聞いちゃマズイだろ!?」 紬「ううん、そんな事無い」 紬「こういうお話はね、誰かに聞いて貰えるだけでも嬉しいものなのよ?」 律(確かに…その通りだよ…) 紬「りっちゃんは、女の子が女の子を好きになったりするのは変だと思う?」 律「それは…思わないけど…」 律「でも、別に他の奴だって良いんじゃないのか?」 律「あたしの知ってる奴なら、大抵同じ事を言うと思うけどな…」 紬「うん、そうだと思う」 紬「でもね、私はやっぱり…りっちゃんにお願いしたいの」 律「…どうしてだ?」 紬「りっちゃんは優しいし、頼りになるし、誰かの為に一生懸命になれる人」 紬「私がね、もしそういうお話をするとしたら…」 紬「絶対にりっちゃんにすると思う」 紬(そうね、これは私の本当の気持ちだと思うわ…) 紬「だからお願い、一緒に聞いてあげて?」 律「いや、そんなに持ち上げられても困るんだけど…」 紬「私のお願い、聞いて欲しいんだけどな…」ジー 律「…」 律「ま、まあ、ムギがそう言うなら…」 紬「良かった!」 紬(でも、このままだと部室には唯ちゃん1人になっちゃうわね…) 紬(お昼も食べないで待ってると思うから…あ、そうだわ!) 律「メールか?誰に出してるんだ?」 紬「うふふっ、内緒♪」 ~部室~ 唯「…」 唯「…zzz」 ユサユサッ…ユサユサッ 唯「…う、う~ん?」 憂「お姉ちゃん、起きて?」 憂「こんな所で寝てたら風邪引いちゃうよ?」 唯「大丈夫だよ…憂が毛布をかけてくれるよ…」ムニャムニャ 憂「もう、此処は家じゃないんだよ?」 唯「…zzz」 憂「…」 憂「ふふっ、しょうがないな…」 憂「でも、こんな所にかけてあげる物なんて無いだろうし…」 憂「隣の部屋って確か物置だったよね…何か無いかな?」 ~資料室~ 梓「…」ジー 澪「どうした?梓」 澪「手が止まって…ないな」 梓「澪先輩のお手伝いなのにサボったりは出来ませんから」 澪「いや、ちゃんとやってくれるなら良いんだけど…その…」 澪「ずっとこっちを見られてると、ちょっとやりにくいぞ?」 梓「分かりました、じゃあ分からない様に見てますね」 澪「いや、そういう事じゃなくてだな…」 澪「私の事なんて見てても面白くないだろ?」 梓「そんな事無いですよ?」 澪「…」 澪「まあ、別に良いんだけどな…」 ~体育館裏~ 紬「誰も来ないわね…」 律「ああ、そうだな…」 紬「ごめんなさい、りっちゃん…こんなに長い時間付き合せちゃって…」 紬「お昼ご飯もまだ食べてなかったんでしょ?」 律「え?いや、そんな事無いぞ?食べたよ食べた」 律「あたしは早食いだからな…」アハハ 紬「…」 律「それよりムギは…」 紬「ダイエット、今日はお昼抜きなの」 律「…」 律「まあそういう事にしておくよ」 紬「ええ、そういう事にしておきましょ」 ~資料室~ 澪「よしっ、このページは終わりだな」 梓「あの、この作業が終わったら次は何をするんですか?」 澪「次か?ちょっと待ってくれよ」 澪「1…2………19…」 澪「和に貰った資料は20枚だから…」 澪「今梓にやって貰ってる1枚で丁度終わりだな」 梓「え?もう終わりなんですか?」 澪「梓が頑張ってくれたから、予定してたよりずっと早く終わったよ」 澪「ありがとうな、梓」ナデナデ 梓「いえ、そんな…」エヘヘ 澪「じゃあ悪いんだけど、梓がそれをまとめてる間に」 澪「ちょっとやっておきたい事があるんだ」 澪「終わったら声をかけてくれ」 梓「はい」 ~体育館裏~ 律「澪と梓はもう部室に来てるかな…」 律「澪が先に来てたら…また怒られそうだ」アハハ 律「遅れて来る事が多いぞって言ってる自分が次の日に遅刻だからな」 紬「…」 律「あ、ち、違うぞ?ムギのせいじゃないぞ?あたしが勝手に…」 紬「ううん、私が悪いの」 紬「でも、りっちゃんがそんな風に考えるなんて思ってないから安心して?」 律「あ、ああ…」 律「…」 律「あっ!今日部室に来てるのは唯1人だけなんじゃないのか!?」 紬「大丈夫よ、憂ちゃんを呼んであるから」 律「憂ちゃん?そうか、さっきのメールで…」 律「全然気が付かなかったよ…ムギ、ありがとうな」 紬「どういたしまして」 ~部室~ 唯「…」 憂「お姉ちゃん、寒い?」 唯「…zzz」 憂「って、返事がある訳ないよね…」 唯「…」 唯「憂…寒いよ…」 憂「え?お姉ちゃん起きてるの?」 唯「…」 唯「…zzz」 憂「寝言かな…でも、ほんとにちょっと寒そうだね…」 憂「カーテンがあったからかけてあげたけど、もっと何か…」 唯「憂…」 憂「…」 憂「隣、良いかな?」 4
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第4 渡嘉敷島における隊長命令の不在(3) (※<藤色>部分は、曽野綾子の論拠借用と著書引用) 第4 渡嘉敷島における隊長命令の不在(3)8 隊長命令不在説の定着(1) 大江志乃夫著『花綵の海辺から』(1990年)(平成2年) (2) 『沖縄県警察史』の安里証言(1993年)(平成5年)ア イ ウ (3) 金城重明著『沖縄戦を心に刻んで』(1995)(平成7 年) (4) 『沖縄戦ショーダウン』(1995年)(平成7年) (5) 林博史著『沖縄戦と民衆』(2001年)(平成13年)ア イ ウ エ (6) 曽野綾子の正論の記事(甲B4) (7) 山川泰邦著『秘録 沖縄戦史の改定』(甲B53)(乙7)ア イ ウ オ (8) 産経新聞の照屋証言ア イ ウ エ (9) 吉川勇助の新たな伝令による自決命令説と手榴弾配布説ア(ア) (イ) (ウ) イ ウ 8 隊長命令不在説の定着 隊長命令不在説は以下のとおり定着した。 (1) 大江志乃夫著『花綵の海辺から』(1990年)(平成2年) 大江志乃夫は「赤松隊長が〈自決命令〉を出さなかったというのはたぶん事実であろう。西村市五郎大尉が指揮する基地隊が手榴弾を配ったのは、米軍の上陸前である。艇進隊長として出撃して死ぬつもりであった赤松隊長が配ることを命じたかどうか、疑問が残る。防衛隊員のリョーヘイさんの語るところでは赤松隊長は自分の部下さえ指揮できない状態に来ていた」のであり、自決命令を出せるはずがないとする(甲B36p27)。 これは、沖縄の歴史家も赤松隊長の自決命令、手榴弾配布ともに考えにくいことを明確に認めたものである。 (2) 『沖縄県警察史』の安里証言(1993年)(平成5年) ア 赤松隊長が西山に移動せよという命令を出したと主張し、これを自決のための命令と主張する説がある。 しかし、これは村の駐在巡査安里喜順が「私は住民の命を守るために赤松大尉とも相談して、住民を誘導避難させたが、住民は平常心を失っていた。―中略― 村の主だった人たちが集まって玉砕を決行しようという事になった。」と状況を述べていることから、事実ではない(甲B16p774)。 イ 安里喜順は「米軍が上陸したら自分一人で村民をどのようにして何処に避難誘導しようかと考えたが、一人ではどうすることも出来ないので軍と相談しようと思い赤松隊長に会いに行った。赤松隊長は〈住民はなるべく部隊の邪魔にならないようにどこか静かで安全な場所に避難し、暫く様子を見ていたらどうか〉と助言してくれた。私は村長ら村の主だった人を集めて相談し〈なるべく今夜中に安全な場所を探してそこに避難しよう〉と言った。その頃までは友軍の方が強いと思っていたので、心理的にいつも友軍の近くが良いと思っていた。 ― 中略― 私は、住民を誘導避難させたが、住民は平常心を失っていた。空襲や艦砲が激しくなってから避難しているので部落を出発する時からもう平常心ではない。集まった防衛隊員たちが〈このまま敵の手にかかって死ぬより潔く自分達の手で家族一緒に死んだほうがよい〉と言いだして村の主だった人たちが集まって玉砕を決行しようということになった。私は玉砕させるために連れてきたのではない、戦争は今始まったばかりだから、玉砕することを当局として認めるわけにはいかないといった。しかし、言っても聞かなかった。そこで、〈決行するのはまだ早いから、一応部隊の所に連絡をとってその返事を待って、それからでも遅くないのではないか〉といって部隊長のところへ伝令を出した。その伝令がかえって来ないうちに住民が避難している近くに迫撃砲か何かが落ちて急に撃ち合いが激しくなった。そしたら住民は友軍の総攻撃がはじまったと勘違いして、方々で〈天皇陛下万歳、天皇陛下万歳〉と始まった。防衛隊員のもっている手榴弾を使って玉砕した。手榴弾が不発が多くて玉砕出来ない人たちがいて。友軍の機関銃を借りて自決使用としたが友軍は貸してくれない。友軍から〈危険だから向こうに行け〉と言われて元の場所に帰ってきた。」というものである(甲B16p773~p775)。 ウ 自決の報告をきいた赤松大尉は〈早まったことをしてくれた〉と言われた(甲B43p46下段) 。 村の駐在という立場で公正、客観的に事実が述べられており、安里巡査の証言からは赤松隊長が自決命令を出した事実は全く窺えない、また赤松隊長が自決のために手榴弾を住民に配った事実もないことは明確である。 『光の泉』で1996年(平成8年)にも同旨を再言している(甲B43)。 (3) 金城重明著『沖縄戦を心に刻んで』(1995)(平成7 年) 金城重明は『沖縄戦を心に刻んで』で「私どもは、刻々と迫りくる命令を待ちました。軍から命令が出たらしいとの情報が 伝えられました(この事実関係については議論がある) 。また既に米軍は300M近くまで迫っているとの知らせもあったようです。張り詰めた緊張感が破裂しました。村長のもと『天皇陛下バンザイ』が三唱され、いよいよ第一の集団自決が起こったのです)(甲B42p52)。 ここでは、「軍から命令が出たらしいとの情報が伝えられました〈この事実関係については議論がある- ママ〉」と甚だ曖昧に表現されており、命令が出たことすら議論があることを金城重明は認めている。 自決の現認を自認したという者が、自決命令を確認出来ないのか不可解という他はない。結局、金城重明は自著『沖縄戦を心に刻んで』において自決命令がないことを認めているのである。 (4) 『沖縄戦ショーダウン』(1995年)(平成7年) 沖縄出身の作家上原正稔は沖縄の新聞琉球新報紙上で連載記事を掲載した。 表題『沖縄ショーダウン』では上原は金城武徳や大城良平を皮切りに安里喜順、知念朝睦を取材した結果、「赤松隊長は命令をだしていないこと」、3月28日ウアーラヌフルーモを埋め尽くした住民と防衛隊は防衛隊から手渡された手榴弾で、天皇陛下のために死ぬ、国のために死ぬとだれも疑問を持たなかった。夕刻、古波藏村長が立ち上がり、〈天皇陛下万歳〉を唱え、皆、両手を上げて斉唱したことを突き止める。さらに安里喜順の「赤松さんは人間の鑑〈かがみ〉です。渡嘉敷の住民のために一人で泥をかぶり一切、弁明することなくこの世を去った。私は本当に気の毒だと思います。家族のためにも本当のことを世間に知らせて下さい。」と要請されたことを明らかにする。 そして上原は、取材の結果、「国の援護法が〈住民の自決者〉に適用されるためには〈軍の自決命令〉が不可欠であり、自分の身の証(あかし)を立てることは渡嘉敷村民に迷惑をかけることになることを赤松さんは知っていた。だから一切の釈明をせず、赤松嘉次さんは世を去った」ことを確認する。上原は、「一人の人間をスケープゴート〈いけにえ〉にして〈集団自決〉の責任をその人間に負わせて来た沖縄の人々の責任は限りなく重い。」と自決命令説の核心をついた批判を展開する(甲B44p3,4,5,6)。 (5) 林博史著『沖縄戦と民衆』(2001年)(平成13年) ア 沖縄戦の研究家林博史は自著『沖縄戦と民衆』で大江志乃夫氏の『花綵の海辺から』の「赤松嘉次隊長が〈自決命令〉をださなかったのはたぶん事実であろう。西村市五郎大尉が指揮する基地隊が手榴弾を村民に配ったのは米軍の上陸前である。挺進戦隊長として出撃して死ぬつもりであった赤松隊長がくばることを命じたかどうか、疑問がのこる。―防衛隊員リョーヘイさんは〈赤松隊長は自分の部下さえ指揮できない状態にきてたのです〉と証言している」との部分を引用して(甲B36p27p)「なお、赤松隊長から自決せよという形の命令は出ていないと考えられる」と記載する(甲B37p 161)。 林はこれに対し「これが一体どこからでてきたのかわからないが、自決せよという〈命令〉が語られ、それを受け入れるような精神状態がつくり出されたことが重要であろう」と疑問を提起するが、どこから出たかわからない自決命令はあり得ない。軍命令説が自決を主導した者の精神的負担軽減と、援護給付金の必要から公言されるようになった背景から目をそらしてはならない。 イ 林は座間味島について「軍からの明示の自決命令はなかったが、―中略―〈自決〉を主導したのは村の幹部や校長ら学校の教師たちと見られる。村の中の有力者であり、軍に協力して軍と一体化していた層である。」とも主張し、自決命令がないことを認めている(甲B37p162)。 ウ また林は慶留間島の集団自決について、「野田隊長から玉砕の訓示を受けた住民は、いざとなったら〈玉砕〉せよという意味だと受けとめた」(甲B37p165)というが、事実はむしろ反対であることが明らかである。 たとえば、慶良間島に上陸した米兵が、保護した住民になぜ〈自決〉したかと聞いたところ、15才の少年は〈日本兵が死ねと命令したわけではなく、みんなただ脅えていたんだ〉と答えた。さらに別の住民も〈かれらは脅えていた〉と答えたという。」のである(甲B37p166)。そうであれば、村民は軍の命令ではなくて、恐怖で自決をはかったことが明らかである。 エ 林は反軍主義者の立場で米軍資料を初めとする資料を駆使して集団自決に軍の責任があると主張し、唯一「told」を命令と訳したものも、意図的な誤訳であることが原告準備書面7 の第1 の4 で既に明らかにされた。 さらに、以下のとおりあまりに恣意的な米軍資料の引用からも命令の存在は怪しいのである。 例えば、ある時は①「自決せよと命じた」とし、ある時は②「自決するように指導されていた」とし、さらには③「米軍が上陸してきたときには、家族を殺せと諭されていた」とし、また④「宣伝に従って自殺を試みた」とし、⑤「民間人たちは捕らわれないために自決するように勧告されていた」と種々の翻訳が見られる(甲B76の4)。 沖縄戦の有力な研究家である林氏をしても隊長命令を否定せざるを得ない事実は重大であり、軍の強制による自決と結び付けようとするあらゆる試みは失敗している。 (6) 曽野綾子の正論の記事(甲B4) 曽野は『ある神話の背景』(昭和48年)から30年経過した平成15年『正論9月号』で「私ができる限りの当事者に当たっても、赤松隊長が自決命令を出したという証拠は何処からも上がってこなかった」。「3百人を越す死体が集まっていたのを見た人はいなかった。しかし、それを敢えて言わなかったのは、玉砕ということで遺族が年金をもらえれば、それでいいのではないかと思ったという。」「赤松隊長を糾弾しようとする多くのマスコミや作家たちは、私が私費で出来た基本的調査さえせずに、事件の日にちさえも取り違えた記録を一つの日本史あるいは日本人の精神史として定着させようとした。その怠慢か欺瞞かが、やっとはっきりしたのである。」 「調査が終わった後、私は生涯沖縄に行くのをやめようと思っていた。この問題に関して、沖縄で発行されている二つの新聞が徹底して私を叩き続けたことを私は忘れたかったのである。沖縄の人たちは、この二つの新聞だけが地域を独占している限り、自由で公正な思想とニュースをうけることはないだろうと感じた」と語っている(甲B4)。 曽野は出版から30年経過した後でも隊長命令をだした証拠がないこと、関係者は遺族が年金をもらえれば、敢えて自決の有無を騒ぎ立てる必要はないと思っていた実情を明らかにすると同時に、現地調査もしない怠慢により虚偽の事実が捏造された経緯を明らかにしてマスコミや作家の姿勢を公正でないと批判する。 (7) 山川泰邦著『秘録 沖縄戦史の改定』(甲B53)(乙7) 沖縄県警出身の山川泰邦は、昭和33年と昭和44年に『秘録沖縄戦記』(各乙4,乙79)を出版していた。それらには具体的に原告梅澤及び赤松大尉による自決命令が記されていた(乙7p156~、p147~)(この乙7を『秘録沖縄戦記』の「元版」という)。 ア この『秘録 沖縄戦記』は長く絶版になっていたが、平成18年10月に、著者山川泰邦の長男であり那覇市役所助役職にあった山川一郎が発行者となり、復刻された(甲53)。 注目すべきなのは、この復刻版においては、元版に記載されていた原告梅澤及び赤松大尉による自決命令の記述が、完全に削除された(甲B53p187~189)(甲B53p179)。 この重大な改訂の説明として、復刻版(甲B53p172)は「集団自決」の章の冒頭に、「本復刻版では『沖縄県史第10巻』(1974年)並びに『沖縄史料編集所紀要』(1986年)を参考に、慶良間列島における集団自決等に関して、本書元版の記述を一部削除した。なお集団自決についてはさまざまな見解があり、今後とも注視をしていく必要があることを付記しておきたい。」(同p172)と断り書がある。 イ 参考にした『沖縄県史第10巻』(1974年)は、渡嘉敷島において「赤松大尉は『住民の集団自決』を命じた」とする『沖縄県史第8巻』(1971年)(乙8p410)を訂正し、「どうして自決するような破目になったか、知る者はいないが、だれも命を惜しいと思ってはいなかった」と述べている(乙9p690)。『秘録 沖縄戦記』の復刻改訂にあたり、これを参考にしたのである。 ウ なお、この『秘録沖縄戦記』復刻版の発行は山川一郎によってなされているが、上記のような重大な内容の改訂については、著者山川泰邦が、その生前から意図していたものと解される。まず、復刻版の著者が依然山川泰邦のみとされていることからもそれは看取することが出来る。 また、山川泰邦の死去は1991(平成3)年であるが、改訂の根拠となった上記の『沖縄県史第10巻』(1974年)及び『沖縄史料編集所紀要』(1986年)の発行は、山川泰邦の生前になされており、山川泰邦が生前にそれらの新資料を入手検討したこと、その内容を受けて山川一郎にも意見(『秘録沖縄戦記』の記述を改める必要があること)を伝えていたことは確実と思われる。 オ この改訂が示すことは、《梅澤命令説》《赤松命令説》が史実の検証に耐えられず、むしろ、真実でないことが今や完全に明らかになっているということである。 このように、近年著される書籍においては、緻密な調査や史実の検証により、慶良間列島における集団自決については、隊長命令あるいは軍命令によるものとはされない(あるいは根拠の不確かなものとして記述されない)のが一般なのである。赤松隊長が命令を出したとする隊長命令説、手榴弾交付説いずれも無理があり、執拗に試みる『赤松隊長命令説』は、いずれも失敗に終わっている。 詳細については原告第8 準備書面第1 の1 ~5 を参照 (8) 産経新聞の照屋証言 ア 赤松隊長の自決命令がなかったことは今や一般に知られることとなった。さらに何故、虚偽の自決命令説が流布したのか、琉球政府社会局援護課元職員照屋昇雄の決定的な証言もあった。 戦後琉球政府で軍人・軍属や遺族の援護業務に携わった照屋昇雄(82才・那覇市)の「遺族たちに戦傷病者遺族等援護法(以下援護法という)を適用するために渡嘉敷島の集団自決を、軍の命令によるとして自分たちで書類を作った。当時、軍命令とする住民は一人もいなかった」という記事が平成18年8月27日付産経新聞に掲載された(甲B35)。『正論』にも同旨の記事がある(甲B38)。 イ 照屋は、琉球政府社会局援護課で渡嘉敷島で聴き取りを実施した。玉井村長が赤松隊長が住民に自決を命じたとする書類を作成して、日本政府の厚生省に提出し、集団自決の犠牲者は、準軍属とみなされ、遺族や負傷者が弔慰金や年金を受け取れるようになったというのである(甲B35)。照屋の調査、報告は集団自決に援護法を適用する際に資料として活用された。 詳細は原告準備書面(4)第7参照(p14以下) ウ 被告は、照屋証言が信用できないと被告準備書面(11)で弾劾した。 その根拠として照屋の社会局の援護局在籍期間を上げる。しかしこれは、全く根拠にならない。原告の提出した辞令によれば(甲B63,64,65)、照屋が援護事務業務を遂行していたことが、明らかである。 エ 被告は甲B63~65が提出されても、何らの反応も示さない。 被告は主張にあう人事記録のみを抽出して提出していた疑いが強い。 (9) 吉川勇助の新たな伝令による自決命令説と手榴弾配布説 ア 吉川は「軍の陣地の中から、一人の防衛隊員が村長のところへ来ました。その防衛隊員は、大声で伝令と叫びながら、古波藏村長のとなりまでくると、古波藏村長の耳元で、何事かを伝えていました。伝令の話を聞いた古波藏村長は何度もうなずいていました。伝令の話しを聞き終えた古波藏村長は奥さんの兄であった郵便局長と話しをしていたようでした。伝令が来てからしばらくたったとき古波藏村長は住民に万歳三唱するように呼びかけました。いよいよ自決するのだと思い、古波藏村長のそばを離れて家族のもとに行きました」という(乙67p3の4)。 (ア) しかし、伝令があったという根拠はどこにもない。そもそも、徳平郵便局長が「統率力を失っていた」(乙9p767下段)と呼ぶ赤松隊長が、住民の自決を命じる余裕があったか否か疑問である。また「かりに、あの時、自決命令を、出したとしても、とても伝令が、あの場所まで辿りつけなかったんじゃないかな。」という戦闘状況からして(甲B18p129)、防衛隊が軍の陣地から伝令で走って古波藏村長のところまでたどり着けたとは考えられない。 (イ) 伝令が来ていることに安里喜順も金城武徳も誰も気付いた形跡がないし、古波藏村長が伝令が自決命令をもって来た事実を全く述べていない(乙9p767~)。 また仮に防衛隊が伝令としてたどり着いたとしても、弾や爆弾の音が激しくて聞き取れなかった伝令の話から、自決命令があったと決めつけるのは吉川の勝手な空想に過ぎない。 (ウ) 吉川が「古波藏村長は奥さんの兄であった郵便局長と伝令が来た後で、話していた」というのであるが(乙67p3の4)、その徳平局長の語る経過は、「どうするか、村の有力者たちが協議していました。村長、前村長、真喜屋先生に、現校長、防衛隊の何名かそれに私です。敵はA高地に迫っていました。後方に下がろうにも、そこはもう海です。自決する他ないのです。中には最後まで戦おうと主張した人もいました。特に防衛隊は、戦うために妻子を片づけようではないかといっていました。防衛隊とは云っても、支那事変の経験者ですから進退きわまっていたに違いありません。防衛隊員は、持ってきた手榴弾を、配り始めていました。思い思いにグループをつくって、背中合わせに集団をなしていました。自決と決まると女の子の中には、川に下りて顔を洗ったり、身体を洗っている者もいました。そういう状態でしたので、私には誰かがどこかで操作して、村民をそのような心理状態に持っていったとは考えられませんでした。」(乙9p765上段・『沖縄県史10巻各論9』)というものであり、自然発生的に自決へ向かったことが強く窺われるのであり、伝令から伝えられた自決命令で自決したという吉川の証言と明らかに矛盾する。 イ さらに吉川は1個は3月23日の空襲の後に自決用としてもらったもの、もう1個は伝令が軍の陣地から古波藏村長のところへ来た後に古波藏村長からもらったという(乙67p4) 。 吉川は、昭和20年3月20日の手榴弾の配布の事実に全くふれていない。 そうすると役場の職員であり、当時17才未満でもあった吉川が手榴弾の配布を昭和20年3月20日に受けていないということになる。これは富山真順の3月20日の手榴弾配布説が根拠のないことを物語っている。 ウ 吉川は新聞では米軍が上陸した(3月27日)直前、役場を通して17才未満の少年を対象に、厳重に保管していた手榴弾を2発ずつ配った。1発は自決用、1発は攻撃用という(乙70の1)。 ※これは、記者の「地」の文である。 しかし、これは3月23日の空襲の後に1発、自決の日である3月28日に1発と語っている陳述書とも異なっている(乙67p4)。 米軍が上陸した直前に手榴弾を配ったとしながら、従来議論された富山真順の3月20日を敢えて外した記載であり、新聞が富山真順の3月20日の手榴弾交付説を意識して、それに似せた記載にせんと腐心したものの、遂に吉川に3月20日の手榴弾配布を認めさせる事が出来なかったことを示している。 しかも、新聞で、米軍上陸前に2発ずつ配ったが、使途を言われたのは米軍上陸後というのも(乙70の1)、富山真順が米軍上陸前の3月20日に手榴弾は1発は自決用、1発は攻撃用として配られたというのと異なっており、新聞記事の杜撰さは明らかである。 いずれにしても、吉川のいう手榴弾の交付は富山真順が語った手榴弾の交付とは別のものである。役場の職員であった吉川が昭和20年3月20日の手榴弾の配布を認めていないことは、むしろ富山真順の主張する事実が無かったことを示す有力な証言といえる。 また、富山真順は役場職員の最後の一人の生き残りであるといっていたが、虚偽であり、富山真順の後の生き残りに吉川がいたことになる(乙12) 。 戻る